塩田剛三は、合気道で一番強い技とは、「自分を殺しに来た相手と友達になること」と語ったと伝えられている。
この言葉は、合気を、比喩で的確に表現した言辞であるといえる。これは、言葉を変えれば、自分を攻撃してきた相手と友好関係を築くという意味になる。
これを具体的な技レベルで説明すれば、自らの身体と相手のそれと接触面においては「戦闘状態」ではなく、「平和状態」になることを示している。
養神館合気道初代館長・塩田剛三さんは、武道の究極の技について「自分を殺しに来た相手と友達になること」と述べられたそうですね。
武道とは争い(殺し合い)のための手段ではなく、平和に安全に生きるための保険(使わないにこしたことはない)のようなもの。「目には目を」「殺意には殺意を」では争いはなくならない。自らを殺しにきた相手をやんわりと押さえ込んでしまう技術と心。それが武道の一つの到達地点のようです。
俺の方が正しい(自分を否定するものは敵)
ぼくの方が強い(自分より強いものは敵)
私の方が素晴らしい(自分より素晴らしいものは敵)
「自分」という気持ちが強いから相手を受け入れられないのかもしれないですね。
自我の強調から自他の協調へ。その分岐点は「相手を許すこと」「相手の存在を受け入れられること」なのだと感じました。