ギリシャの哲学者で医学者でもあったヒポクラテスは、病気の治療として、オリーブオイルを盛んに使っていたようです。
オリーブは実際に、血液をきれいにし、コレステロール値を下げ、血管を守り、血圧も下げてくれます。
世界で一番オリーブオイルを飲んだり食べたりしているのは、ギリシャ(特にクレタ人たち)とアフリカのバンツー族(中央アフリカに分布)で、いずれも年間一人で四〇リットル以上も摂取します。
ですから、たとえばギリシャ人には、神経症やノイローゼ、うつ病なんかないし、自殺者が世界で一番少ないと言われます。
良質のオリーブオイル(一〇〇%純粋)を使えば、まず一~二分で目の前が明るくはっきり見え(ビタミンAとEが視神経に働く)、やがて味覚(舌)、臭い(嗅覚)にも鋭さが湧いてきます。
ギリシャ人は、朝、オリーブオイルをスプーン大さじ三~四杯飲み、牛乳かヤギ乳、リンゴ一切れ、昼はオリーブオイルをタップリつけた雑穀パン、夜だけは魚や肉をタップリ(いずれもオリーブをかけて)食べます。
(中略)
パンツー族もオリーブオイルを大量に飲み、タンパク質の不足を充分にカバーし、全エネルギーの三七%くらいをつくり出しています。
(中略)
また、性ホルモンをどんどん再製する力があり、精力がグンと湧き、野性の感覚と生命力が上がります。
(中略)
ただし、安くて混ぜものがあったり、酸化したものではだめです(目安は三〇〇〇円以上、最上のものは一万円くらい)。
「油は摂らない方がいい」と悪者扱いされている中で、なぜかオリーブオイルは別格で積極的に摂取することが勧められたりする。それはこんなにもいろいろ効果があったからなんですね。
オリーブオイルには、ビタミンA、ビタミンE、蛋白質のほかに、ビタミンD、ビタミンK、リン脂質、アトシアニン、ポリフェノールが含まれているらしいです。
これらの栄養素は、酸化、老化、血液の凝固といった身体にとってマイナスの要素を防いでくれるとか。オリーブオイルは調理や材料によって使い分けができるほど種類が豊富。これは日本人に例えますと、いろいろな味噌があるような感じでしょうか?
味噌に含まれる栄養は、ビタミンB1、E、カルシウム、カリウム、鉄分、リジン、リノール酸、サポニン、イソフラボンと、オリーブオイルに負けないくらい充実していますもんね。
作者: 安藤一男
出版社/メーカー: 三笠書房
発売日: 2001/12
メディア: 単行本
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