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ざつがくしてます☆ by ゆうはん

体重が減って痩せても、ぽっこりお腹は鍛えないと細くならない?

 

 

 

 

お腹がでてくるのは、脂肪のせいばかりではない。普段から運動をしていないと、しだいに腹部全体の筋肉が衰え、腹壁がゆるんでくる。


そのために重力にしたがって内臓がせりだしてしまうのである。お腹をスマートにするためには、やはり腹壁全体の筋肉をきたえなければならない。

 

人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書) 

 

 

 


食べる量を減らす食事制限、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動など、カロリー面でのダイエットではウエストは細くならなかった。数値的には体重が減っても理想の体型になっていなかった。といった話を聞いたことがあります。


理想の体型になるためには、パーツ(部位)ごとに意識し、目的を明確にしたトレーニング(努力)が欠かせないようですね。


映画俳優として武道家として死してなお多くの人に影響を与え続けるブルース・リーさんは、引き締まったお腹、使える身体を作るために様々なトレーニングを行っていた(考案していた)そうです。代表的なのは、仰向けになった状態で頭からロール紙を巻くようにして腹筋を上部からゆっくり鍛えていくというもの。


興味深いのは、“丹田を意識した武術の稽古では、お腹がぽこっと出て見た目が悪くなる”といったことを嫌っての腹筋トレーニングだったこと。腹圧が高く重心が下がって安定する丹田腹にはなりたくなかったようです。


鍛えているので筋肉もあるし、稽古で動いているのに、なぜかぽこっとお腹が出ている達人(すべての方がそういうわけではありませんが)。お腹を風船のように膨らます丹田呼吸の稽古が腹筋を弱くしているのかもしれないですね。呼吸で腹圧が高まると、腹部の圧力によって上半身を支えることができ、腰の筋肉や腹筋の負担が減るそうですから(ぎっくり腰になりにくい)、それは逆にいうと腹筋に頼らなくなるということなのだと思います(丹田腹でなくて太っている人は脂肪によって腹圧が高い?)。


それと、“食べていないのに痩せない”“食べる量を減らしたのに太った”というのも、腹筋が弱くお腹周りがたるんでいる状態のままということでしょうか。


食事量が減ると足りないカロリー(栄養)を筋肉から補給して筋肉量が減るそうなので(リバウンドの原因は食事制限による筋肉量の低下にあるという話も)、食べないことで腹筋がどんどんなくなっていく(飢餓難民の子供たちのお腹が食べていないのにぽっこりしているのは、栄養失調による腹水で膨らんだ状態で、腹筋の筋肉量低下によってさらに膨張しているという話を聞いたことがあります)。


よく“人体の筋肉の三分の二は下半身にある”という言葉を耳にしますが、上半身と下半身の境目はどこなのかが疑問ですよね?どこからが上半身で、どこからが下半身なのか。私は、鳩尾(横隔膜)が境目であり、呼吸器官(上半身)と消化器官(下半身)で別れるものだと考えています(腰骨のあたり、骨盤の上部で分けるという説も)。


だとすると、腹筋のある腹部は下半身ということになります。インナーマッスル(深層筋肉)の腸腰筋 も、背骨から足についている(もも上げするときに使う筋肉)そうですし。


食べないことで全身の三分の二の筋肉量が目減りしたら基礎代謝も減って太りやすくなりますよね。歩いてダイエットできたという方は、有酸素運動の脂肪燃焼効果以上にこの三分の二の筋肉を鍛えることに成功したことが要因なのだと思われる。


以前、ご夫婦で一緒にウォーキングをしていたのに、旦那さんは8キロ近く痩せ、奥様は3キロほどだったという話を聞きました。同じ距離、同じ時間、同じペースで歩いていたにも関わらず。食事も毎日同じものを食べ、間食はしていなかったそうですから、筋肉量の増加が原因なのかもしれません。もともとどれほど太っていたかにもよると思いますが、興味深いお話でした。


なので、有酸素運動で脂肪を燃焼させるというイメージよりも、足腰の筋肉を鍛えるという意識でウォーキングした方が効果があるのでは?と考えています。つまり、骨盤の付け根から下の脚だけ動かしていては効果が薄く、横隔膜の下あたりから大きく下半身全体を使って歩く。腰がツイストする形になって腹筋が使われ、ウエストが細くなるという寸法です(ウォーキング関連の本に書かれている歩き方)。

 

ただ体重という数字を減らすことだけを意識して食事制限をしていても、理想的な体型、望んだ結果は得られない?

 

 

※ Amazonのアソシエイトとして、ゆうはんは適格販売により収入を得ています。