…「その攻撃方法の極意は呼吸法にある」と次のように述べているのは興味深いことです。
「まず吸引した息を深く肺尖を越えて下腹部に入れ、それを腹の裏、腎臓機能を通じて吐く。吐く一瞬の喝力を利用して撃ちの術に入る。
瞬間的に目にもとまらぬ速さで原力の二〇倍の力が発生し、板材を裂き、かわらを割り、目的物を粉砕するのは、みな呼吸法の秘術によるものである」
小松崎濤さんの著書『陳元賓の研究』に記されている達磨大師の“発勁呼吸法”が紹介されているくだりです。威力が20倍に増幅するなんて、ちょっとした界王拳(漫画ドラゴンボールの主人公「孫悟空」の必殺技)ですね。
突きや蹴りなど、打撃技を打ち出すときに威力を高める達磨大師の呼吸法。お腹に貯めた息を抜くことで体内を減圧。同時に、胸椎6番あたりを後方に引く反作用で、拳や足を前方へと送り出す感覚でしょうか。この状態で、両手で壁を押してみると、より力が入りやすいように感じまた。