どの筋肉を使うのか。それが問題なんです。腕には屈筋と伸筋という、違うタイプの一対の筋肉があります。
屈筋は名前どおり腕を曲げるときに働きます。俗に『腕力が強い』というのはこの筋肉が強いことを指しています。
人間は腕に力を入れて何かをしようとしたときに、この屈筋が自然に働くようになっています。すると、腕が曲がる。腕の力で飛ばそうとすると腕が曲がるんです
なぜ、多くのゴルファーは「開眼!?」してもスコアアップにつながらないのか
“腕を曲げる”“力コブをつくる”“物を引っ張る”といったときに意識する筋肉が「屈筋」と呼ばれるもの。
そして、“力を入れている”という感覚(力感)を感じるのはこの屈筋だけだという。
勝ちたい、良い成績を残したい、成果を上げたい…と全力を出そうとすると、緊張するのは力感を感じる屈筋ばかり。それは、偏った腕の使い方のようですね。
力を意識する→腕が曲がる→軌道がずれる
テニスのラケットやゴルフクラブといった手の延長で振る道具では、こうした屈筋の活躍による軌道のズレが顕著になるということでしょうか。半径が大きい円ほど円周が長くなりますから。
井上雄彦さんのバスケットボールを主題とした漫画『スラムダンク』の名ゼリフ「左手はそえるだけ」。これは、遠めから決めるスリーポイントシュート(ジャンプシュート)のコツで、上記の事例に当てはめて考えてみると…
左手と右手挟むようにしてボールを持ってしまうと、屈筋が優位になる。
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力が入りやすい状態なので、力を入れて投げると屈筋による軌道修正で曲がってしまう。
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左手を添えるようにすると、自然と右手も屈筋ではなく、伸ばす筋肉(伸筋)でボールを支えるようにして構えることができる。
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すると、綺麗な放物線を描くようにしてシュートすることができる。
といった感じでしょうか。