ふくらはぎは人間だけが持っています。
脚力の強い馬や、人間に近いとされる猿にもふくらはぎはありません。彼らは背骨を水平にして四つ足で歩いているため、ふくらはぎが必要ないのです。
(中略)
重力の影響で血液の70%は下半身にたまるともいわれています。そこでひざ下にたまった血液をくみ上げるポンプとしてふくらはぎが発達しました。
この本によりますと、栄養や酸素を送る血液は40秒で全身をめぐり、老廃物を回収して運ぶリンパ液が全身を巡るのは12時間かかるそうです。感覚的には宇宙ロケットと三輪車くらいのスピード差?…かなりの違いに驚かされる。
以前、血液のすぐ隣をリンパ液が流れている映像を見たことがありますが、高速道路と側道のような関係が印象的でした(あるいは、リンパ液は万年渋滞の首都高速のようなもの?)。
上記引用の“ふくらはぎは人間にしかない”という話。筋肉には、姿勢や動作を支えるだけでなく、ポンプとして血液やリンパ液を送り出す役割があるようです。重力に逆らうようにして上へ上へと送り出す仕組みを人間は持っている…揚水発電で水を下部貯水池から上部貯水池へと汲み上げるようなイメージでしょうか。
筋肉が不足すると太りやすくなるという現象は、基礎代謝の減少(摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れる)だけでなく、老廃物の滞り(リンパ太り?)も原因の一つなのだと思われる。それと、首(デコルテ)や手足の付け根など、リンパは体が稼動する部位に密集しているのですが、動かすことでリンパ液を送り出しやすくしているということなのだと考えられますね。
筋肉がつくと引き締まってくる(小顔になる)のは、体が水風船からゴムホースに変わっていくようなイメージなのかもしれないですね。膨らないようにギュっと抑えつけ、ホースをニギニギして中身を送り出しているのが筋肉。溜め込まないように流れを作ってくれているようです。
そういえば、“つま先立ちが健康に良い”という話を聞いたことがありますが、ポンプで全身のめぐりを良くすることがポイントなのだと思われる。