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ざつがくしてます☆ by ゆうはん

合気道で一番強い技

 

 

 

塩田剛三は、合気道で一番強い技とは、「自分を殺しに来た相手と友達になること」と語ったと伝えられている。

 

 

心身一如の身体づくり 武道、そして和する合気、その原理・歴史・教育

 

 

 

 


そもそも武術は殺し殺される戦場での手段(武器術・殺人術)。戦うための戦闘技術であり、身を守るための護身術。一番強い業は「殺しに来た相手と友達になる」という合気道養神館初代館長・塩田剛三さんの言葉が興味深いです。


たしかに、仲良くなれたら敵そのものがいなくなりすもんね。勝つことも負けることもなくなる。生命を守る究極の対応策なのだと感じる。相手の殺意がなくなるのなら。


「友達になる」という言葉は単なる平和主義の精神論ではなく、具体的に強くなるための方法なのだと感じます。心・技・体の心の部分の変化が、技へ影響を与えるというもの。


今まで掛からなかった関節技や投げ技が、あるとき使えるようになる。面白いように技が極まるようになる。やっていることは同じ、何ら新しいトレーニングをしているわけでもないのに。


それは、心に欠けているものが埋まった瞬間。相手を受け入れる気持ちで、敵と向かい合えたとき。相手の“あるがまま”を受け入れられるようになることがポイントなのだと思われる。


「この技を使いたい」
「相手を倒したい」
「勝ちたい、負けたくない」


自分勝手にやろうとし、相手を拒絶する心。「俺が俺が」と自己主張ばかり求める我欲。技が使えない理由は、相手が見えていないから。自分に気持ちが向かって、相手を感じていないから。相手を無視して無理やりやって、相手構わず強引な力技になって、相手に頑張られてしまう。相手の自我と正面衝突…抵抗されて技が掛からない。


自我から自分を解放することで、相手を察する余裕が生まれ、相手の状態に適した動きを合わせられるようになる。それが“合気”の究極なのだと感じます。技の形に縛られることなく、ただただ、相手が転びやすい方へと導くだけで倒れる状態。


「友達になる」気持ちで敵と戦える達人の境地。強くなったから「友達になろう」と思えるのではなく、強くなるために「友達になろう」と思うことが鍵?“自我の強調”から“自他の協調”へと心が成長(気づきによる変化)することで、使えなかった技が利くようになるのかもしれないですね。

 

 

 

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