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ざつがくしてます☆ by ゆうはん

鈎手の理

 

 

 

鈎手の理と云うのは、例えば、重い物を持ち揚げるのに、遠くから手を延ばして之を持ち揚げようとすれば、仲々揚げることが出来ないが、その物に近寄りて、腕を曲げ体に接して持ち揚げるときは、容易に之を揚げられるものである。


此の手を曲げて体に接し或る角度をとる方法を、拳法では鈎手の手法と云って重要視しているのであり、この鈎手の理を応用して守勢をなし、敵をして攻勢に出させて手を伸ばさせれば、我の小の力を以って敵の大力を苦もなく制することができるのである。

 

 

連続写真で究める少林寺拳法 (柔法1編)

 

 

 

相手に手首を掴まれたら、まずは自分の胸・脇腹に腕をぴったりくっつける“鉤手(かぎて)”。そこから打撃(当身・目打ち)を入れ、相手の手首や肘を攻め、関節技を極めるように投げる。これは、合気道さんや柔道さんにはない技法で、少林寺拳法さん独特の投げ方(理合)ですね。最小限の力で最大限に抗う方法…小が大に抵抗できるお手軽な護身術☆

 

やり方のポイントは二つ…


1.握られた手首を強化するために、大きめのボールを片手で掴んでいるような感じで5本の指を開く(「五指を張る」)こと。


2.相手がこちらを動かそうとする力を封じるために、掴まれている部分に自分を近づける(相手との接点に「寄せ足」する)こと。

 

五指を張らずにいると、ギューっと相手に手首を握り込まれて負けてしまう。近づかずにその場で何とかしようとすると力対力の勝負になってしまう。また、見た目は同じでも、相手の腕を強引に引っ張り込まないことが習得のコツのようですね。


感覚的には、自分の腕は曲げ、相手の腕を伸ばすように一歩踏み込むイメージでしょうか。重い物を持ち上げるなら、赤ちゃんを抱き寄せて高い高いするようにした方が楽。伸ばした腕の先で重みを上下させるのは辛いですもんね。ヘタしたら腰痛に。さらに、相手は爪先重心、自分はカカト重心になるように構える(後ろ足体重の半身)と良いようです。

 

 

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