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ざつがくしてます☆ by ゆうはん

宗道臣の投げ技

 

 

 

…少林寺拳法の創始者である宗道臣開祖のゆっくりと、まるで真綿にくるまれたようにフワッと投げられる技法に接しているのは初期の頃の直弟子の中でも稀だという。

 

 

ボディーバランス・コミュニケーション

 

 

 

この本の著者さんは、禅林学園の校長をされている山崎博通さん。少林寺拳法の開祖・宗道臣さんに直接指導していただいた思い出のくだりが興味深い。


“ボディーバランス・コミュニケーション”で紹介されている理論は、開祖が目指していた武術の本質を習得するための道筋を示すもの。武術の一つの到達点が「フワリと真綿にくるまれたような柔らかい投げの感覚」のようですね。

 

ちなみに、“ボディバランス・コミュニケーション”の稽古映像は、DVD『少林寺拳法解体新書』の中に“法形研究”として収録されています。

 

相手を受け入れた方が、技や打撃が決まるようになる。攻防は“接点”であり、力の衝突は“我のぶつかり合い”。戦闘技術は相手の否定から始まり、最終的には相手を受け入れる心境に至るものなのかもしれないですね。真綿にくるんだように柔らかく投げられるのは、技術ではなく、「戦いは関係性(コミュニケーション)」という本質の理解だと思われる。

 

ただ、門下生さんたちは、威力や破壊力といった強さに魅力を感じ、戦う技術が欲しくて入門するもの。最初は「強くなりたい(他者との比較での優越)」という気持ちがモチベーション(動機付け)になってますもんね。だから、ごく一部の方にしか見せられなかったのだと思います。「本当はこうしたいのだけれど」と正しいことを伝えても、やる気や興味を削いでしまうだけだと判断されていたのかもしれないですね。

 

養神館合気道・初代館長の塩田剛三さんが、合気道の極意(最高の技)について述べた言葉。「自分を殺しに来た相手と友達になること」というのも同じ境地なのだと思われる。


戦い方や修業の過程は違えど、武道という山の頂点は同じところにある…「“自我の強調”から“自他の協調”へいたる道」なのだと感じます。

 

 

 

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