見るだけでスポーツトレーニングになる?…心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる/坂井克之

 

 

読書書籍:心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)

 

 

腹側運動前野には、サルが特定の動作、特にものをつかむような動作をしているときに活動する神経細胞が存在します。


そのサルが手を動かしていなくても、別のサルが同じ動作を行っているのを見ていると、この同じ神経細胞が活動するのです。


つまり、相手の動作を脳内でコピーしているような活動をする、ということからミラー・ニューロンと呼ばれています。

 

『心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)』より

 

 

 

「ミラー・ニューロン」と呼ばれる神経細胞の働き。自分が普段行っている慣れ親しんだ動作・運動であれば、他人の行動を目で見るだけで脳が活動するというもの。


そ ういえば、中国武術で極意を伝えるための指導方法に「黙念師容(もくねんしよう)」というものがあるらしいですね。師匠が弟子に秘伝とされる技を一度見せ るだけ。見たイメージを忘れずに型稽古の蓄積(功夫を養う)を続けていれば、いつの間にか同じことができるようになっているそうな。逆に、イメージが無い ままいくら形を練習しも到達できないという話。


これも、ミラー・ニューロンが関係しているということなのだと思われる。それに、見たことを脳内で想像・再現すれば同様に神経細胞が活動するということですかね。


形だけの型稽古に感覚的なイメージがプラスされることで技が完成に近づく。師匠と同じ動きをしようとするミラー・ニューロンの信号に、自分の動作感覚を近づけていくことでいつかピッタリ重なる時がくる?


そういう意味では、テレビやDVD、ネット動画などで素晴らしいスポーツ選手の動きを映像で見られる現代は、優秀な生徒が育ちやすい環境にあるのかもしれないですね。

 

 

 

 

心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)

作者: 坂井克之
出版社/メーカー: 中央公論新社・中公新書
発売日: 2008/11/25
メディア: 新書

ISBN-13: 978-4121019721